行動遺伝学者の安藤寿康さんによれば、学業成績の個人差の要因はざっくり、遺伝子50%、家庭環境(親の社会・経済的地位など)30%、その他(先生のとの出会いのような偶然や、本人が変えられる要因)20%となっています。
一般的に、教育において「親ガチャ」と言って連想するのは経済的地位など家庭環境でしょう。ですが、それ以上に遺伝的要因が親ガチャを左右しているようです。
走るのが好きではなく、走るのが遅い子どもにあの手この手で走るのが早くなるように介入するでしょうか。もし介入したとしたら余計走るのが嫌いになるでしょう。
ですが、勉強となると「できるようにするべき」といった義務感や正義感のようなものが出てきてしまいます。
なぜでしょうか。
それは、高校まで入れると9年間の義務教育(高校まで入れると12年)の中で、「得られる人生が学力によって変わってしまう」という思想を植え付けられてしまうからでしょう。
私たちは自分の子どもに勉強ができる子になって欲しいのでしょうか。きっと多くの方は「やりたいことができるようになって欲しい」という願いをお持ちだと思います。そしてそのための手段として「勉強」があるのです。
そのため、私が考える「親ガチャ」のはずれとは「目的(やりたいこと)と手段(勉強)が逆転している、またはやりたいことを応援できない親」です。
もちろん職業や生活的な意味でやりたいことができるようになるには前提となる能力が必要です。それは勉強で養えることが多いですが、同義ではありません。
大切なのは思考力です。「自分で考え、行動する力」です。
20%の自分で切り開ける領域こそが重要です。
20%の領域を引き上げることができるURなガチャであってください。